ピッツバーグに住んでいると、街のいたるところで目にする「Steelers」の文字。黒と黄色のグッズを身につけている人も多く、この街ではかなり身近な存在です。
これまで野球(MLB)の観戦などは経験してきましたが、実はアメリカンフットボールの試合をスタジアムで観るのは今回が初めて。せっかくピッツバーグに住んでいるのだから一度はSteelersの試合を見てみたい!ということで、Acrisure Stadiumへ行ってきました。アメフト初心者の目で見て感じたことを中心に書きます。
Pittsburgh Steelersとは?
Pittsburgh Steelers(ピッツバーグ・スティーラーズ)は、ピッツバーグを本拠地とするNFLのプロアメリカンフットボールチームです。誕生は1933年、創設者はArt Rooney Sr.で、NFLでも歴史の長いチームの一つ。これまでに6回のスーパーボウル優勝を果たしています。
そしてSteelersといえば、何といっても街のカラー Black & Gold(黒と黄色)。試合の日には、スタジアム周辺だけでなく街全体がSteelersモードになり、「この街に深く根付いているんだな」と感じます。
そもそもアメフトってどんなスポーツ?
日本にいた頃、私はアメフトをほとんど見たことがありませんでした。だから観戦前に一番心配だったのが、「ルール、分かるかな……?」 ということ。
アメリカンフットボールは、2チームがボールを相手陣地へ運んで得点を競うスポーツです。特徴的なのが「Down(ダウン)」という仕組み。攻撃側には基本4回の攻撃権があり、その間に10ヤード進めれば、また新しく4回の攻撃権を得られます。これが First Down(ファーストダウン) です。
……と説明されても、最初はピンときません。私も観戦中、「今のプレーは何?」「なんで止まったの?」と、頭の中が何度も「???」になりました。とはいえ、そのあたりも含めて“初めての体験”として楽しんできました。
試合会場はAcrisure Stadium

今回訪れたのは、Steelersの本拠地 Acrisure Stadium(アクリシュア・スタジアム)。ピッツバーグのNorth Shore(100 Art Rooney Ave)にあり、すぐ近くにはMLBのPittsburgh Piratesの本拠地PNC Parkもあります。野球場とアメフト場が隣り合っているので、スポーツ好きにはたまらないエリアです。

収容人数は、試合時で 68,400人、コンサートなどのイベントでは73,000人以上(過去最多はテイラー・スウィフト公演の73,117人)。とにかく大きなスタジアムです。
会場までのアクセスと、アプリでの入場
会場までは、以前PNC Park(MLB)に行ったときと同じように、ダウンタウンから T(ライトレール) で向かいました。うれしいのは、ダウンタウン〜North Shore間は「無料区間(Free Fare Zone)」なので、ダウンタウンの駅から乗れば運賃がかからないこと。スタジアムの最寄りはAllegheny駅(またはNorth Side駅)で、そこから徒歩5分ほどです。
ただし、試合の日は電車がとても混みます。私も1本見送って、次の電車を待つことになりました。時間には余裕をもって向かうのがおすすめです。
入場は、スマホのアプリでチケットを提示するスタイル。ここで一つ注意点があります。NFLの公式アプリは、日本のApp Storeアカウントではインストールできませんでした。そこで私は Steelersの公式アプリ を入れてチケットを表示し、無事に入場できました。日本のアカウントのままアメリカでスポーツ観戦をする予定がある方は、事前にアプリまわりを確認しておくと安心です。
今回見たのはプレシーズンゲーム
今回観戦したのは、2026年8月21日に行われたNew York Jetsとのプレシーズンゲーム。Steelersのプレシーズン第2戦として、午後7時から行われました。プレシーズンとは、レギュラーシーズン開幕前の実戦形式の試合のこと。
結果はSteelersにとって少し残念で、New York Jetsが17–0で勝利。Steelersは無得点でした。とはいえ私にとっては、結果以上に「初めてアメフトをスタジアムで見た!」という興奮の方が勝っていました。
いざ、初めてのアメフト観戦!
スタジアムに入ってまず感じたのは、とにかく大きい! ということ。フィールドを囲むように観客席が広がり、黒と黄色をまとったファンで埋まっていきます。試合開始が近づくにつれ、会場の熱気もどんどん高まっていきました。
今回の座席は、アッパーデッキのセクション535・H列。フィールド全体が見渡せて、 大型モニターもはっきり見える位置でした。Acrisure Stadiumは片側が開けていて街や川の 方向を望めるので、私たちの席からは右手に橋も見え、試合と一緒にピッツバーグらしい 景色も楽しめました。初めてで試合の流れを追いたいなら、こうした少し高い位置の席は、 プレーの展開もモニターの情報も追いやすくておすすめです。

そして試合が始まると、やはりルールは難しい!(笑)。一つのプレーが終わるたびに選手が止まって並び直し、画面には「1st & 10」「3rd & 4」といった数字。最初は意味が分かりませんでしたが、何度か見ているうちに「あと4ヤードでファーストダウンなんだ」と少しずつ掴めてきます。

私は細かいルールを完璧に理解するより、「今Steelersが攻めてる!」「今のプレーすごい!」くらいの感覚で、まず雰囲気を楽しむことにしました。それでも十分に盛り上がれます。
Noise Meterで会場が一体に
今回とても面白いと思ったのが、Noise Meter(ノイズ・メーター)。試合中、大型モニターに観客の歓声の大きさを示すメーターが表示され、すると会場中から「うおおお!」という声援が一斉に上がります。「もっと声を出そう!」という呼びかけが目に見える形になっているのが新鮮でした。

日本の観戦でも応援はありますが、スタジアム全体を巻き込んで一体感を作る演出は、いかにもアメリカらしいなと感じました。ルールが分からなくても、この一体感だけでかなり楽しめます。
Terrible TowelとRenegade、Steelers名物の応援
Steelers観戦を語るうえで外せないのが、Terrible Towel(テリブルタオル)。黒い文字が入った黄色いタオルで、ファンがこれを振り回すと、スタンドが“黄金の海”のようになります。もともとは1975年、名物ラジオ実況者のMyron Copeが、ファンを盛り上げるために「黄色いタオルを持って振ろう」と呼びかけたのが始まり。今ではSteelersを象徴するアイテムになっています。
さらにグッと来るのが、公式タオルの売上の一部が、知的・発達障害のある人たちを支援するAllegheny Valley Schoolに寄付されていること。応援グッズが社会貢献にもつながっているのは素敵な話です。スタジアム内のショップでも売られていて、Steelersファンの必需品なのだと実感しました。
そしてもう一つが Renegade(レネゲイド)。これはStyxというバンドの楽曲(1978年)で、レギュラーシーズンのホームゲームでは、主に第4クォーターの大事な場面で流れる“隠れた team anthem”。曲がかかると観客がTerrible Towelを激しく振り、スタジアムが一気に沸きます。今回はプレシーズンだったのでフルには味わえませんでしたが、次にレギュラーシーズンで観るときに体感してみたい演出です。
スタジアムグルメも楽しみのひとつ
観戦のあいだは、スタジアムフードも楽しみました。定番のホットドッグに、ピリ辛のフライドポテト。このポテトをチーズ(チーズソース)につけて食べるのが思いのほかおいしくて、お気に入りに。さらに、デザート代わりに Auntie Anne’s(アンティ・アンズ)のシナモンシュガー味のプレッツェル も。甘い香りともちっとした食感で、観戦の合間のおやつにぴったりでした。



こうした“ながら食べ”も含めて楽しめるのが、アメリカのスポーツ観戦の醍醐味だなと感じます。
スポーツ観戦そのものがエンターテインメント
今回初めて観戦して感じたのは、アメリカではスポーツ観戦そのものが一つのエンターテインメントになっているということ。大型モニターの映像、観客参加型の演出、そしてTerrible Towel。試合前には、スタジアム内のFedEx Great Hallでライブやフットボール関連のアクティビティも行われていて、「ただ試合を見る」というより、スタジアムにいること自体を楽しむ感覚に近いように思いました。
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正直に言うと、今回の観戦だけでアメフトのルールを完全に理解できたわけではありません。それでも、スタジアムで味わう迫力は、テレビとはまったくの別物でした。選手同士がぶつかる音、観客の歓声、Noise Meterで一斉に上がる声援、そして黄金に染まるTerrible Towel——こうした空気は、実際に足を運ばないと分からないものだと思います。
アメフトを知らない私でも十分楽しめたので、「ルールが分からないから……」とためらっている方こそ、一度スタジアムで観てみてほしいです。次はもう少しルールを覚えて、レギュラーシーズンでRenegadeの盛り上がりも体感してみたい——そんな楽しみが増えた、初めてのSteelers観戦でした。
この記事で使える英語
アメフト初心者が、観戦前に知っておくと楽しめる用語をまとめました。
Touchdown(タッチダウン)
相手のエンドゾーンにボールを持ち込む、またはエンドゾーンでパスをキャッチすると得られる得点。6点です。
- Touchdown! Steelers score!(タッチダウン! スティーラーズが得点!)
Field Goal(フィールドゴール)
キッカーがボールを蹴り、ゴールポストの間を通すプレー。3点です。
First Down(ファーストダウン)
4回の攻撃で10ヤード進み、新たな4回の攻撃権を得ること。画面の「1st & 10」は「1回目の攻撃、あと10ヤード」という意味です。
- It’s first down!(ファーストダウン獲得だ!)
Quarterback(クォーターバック/QB)
攻撃の司令塔。パスを投げたり、ボールを他の選手に渡したりします。
Interception(インターセプト)
攻撃側が投げたパスを守備側がキャッチし、攻守が入れ替わるプレー。
Fumble(ファンブル)
ボールを持っている選手がボールを落としてしまうこと。




