アメリカで運転を始めてから、道路標識に書かれた数字の多様さが気になりました。2桁のものもあれば3桁のものもあり、標識の形も道路によって違います。それぞれに法則があり、番号を見るだけでその道路の性格がある程度わかる仕組みになっています。
道路の3種類
アメリカの主要な幹線道路は大きく3種類に分かれています。
インターステート(Interstate Highway)は連邦政府が整備した全国規模の高速道路です。アイゼンハワー大統領が1956年に国防目的も含めて整備を命じた道路網で、正式名称は「ドワイト・D・アイゼンハワー全米州間国防高速道路網」といいます。全国の主要都市を結ぶ基幹路線で、アクセスコントロール(合流・出口が限られた完全な高速道路)が原則です。
USハイウェイ(US Route)はインターステートより古い歴史を持つ全国道路網で、1920年代から整備が始まりました。インターステートほど高速走行に特化していないため、信号や交差点がある区間もあります。地方都市を結ぶ役割が大きく、町の中心部を通ることもあります。
州道(State Route)は各州が管理する道路で、インターステートやUSハイウェイを補完する役割を持ちます。
標識の形の違い
3種類の道路は標識の形で見分けられます。
インターステートは赤・白・青の盾(シールド)形の標識で、上部に「INTERSTATE」と書かれています。道路番号が白抜きで表示されます。
USハイウェイは白地の盾形で、「US」と書かれた上部と道路番号が入っています。インターステートより古い形状のシールドです。
州道は州によってデザインが異なり、丸形・六角形・独自の形などがあります。ペンシルベニア州は「キーストーン・ステート」の別名にちなんだ鍵石(キーストーン)型で、黄色い地に路線番号が書かれています。ペンシルベニア州の州道は「PA」の後に番号が続く形式で表記されます(例:PA-8・PA-51・PA-65)。PennDOTはペンシルベニア州内の全道路を「State Route(SR)」として一元管理しており、インターステートもUSハイウェイも州道も、州の管理番号としてはすべてSR番号が割り当てられています。ただし標識に表示されるのは通常の路線番号(例:I-376・US-30・PA-8)です。
インターステートの番号の法則
インターステートの番号は1〜2桁で、方向と位置に法則があります。
偶数は東西方向、奇数は南北方向の路線です。東西路線は南から北へ数字が大きくなり(I-10が南、I-90が北)、南北路線は西から東へ数字が大きくなります(I-5が西海岸、I-95が東海岸)。
また下一桁が0(I-10・I-20・I-40・I-80・I-90など)の路線は大陸横断クラスの主要東西路線、下一桁が5(I-5・I-25・I-35・I-75・I-95など)は国土縦断クラスの主要南北路線です。5の倍数が主要幹線に割り当てられている点は覚えておくと便利です。
標識や案内では「I-376 East」「I-79 North」のように方向を組み合わせて表記されます。同じ路線でも進行方向によってEast/West、またはNorth/Southと区別されるため、インターチェンジで乗り口を選ぶときに方向感覚を持っておくと迷いにくくなります。
3桁のインターステートは支線
標識に3桁の番号があるインターステートは、2桁の主要路線から分岐した支線です。下2桁が親路線の番号に対応しています。たとえばI-376はI-76の支線、I-279はI-79の支線です。
3桁の先頭の数字が偶数(2・4・6・8・0)の場合はループ(環状路)またはバイパス、奇数(1・3・5・7・9)の場合はスパー(市街地へ入る支線)が多い傾向があります。ピッツバーグ周辺では、I-376(ピッツバーグとモノンガヒラ川沿いを通る路線)やI-279(ピッツバーグのノースサイドへ向かう路線)が3桁のインターステートとして日常的に使われています。
USハイウェイの番号の法則
USハイウェイの番号にも方向の法則があります。インターステートとは逆で、東西路線は北から南へ数字が大きくなり(US-2が北、US-90が南)、南北路線は東から西へ数字が大きくなります(US-1が東海岸、US-101が西海岸)。
ピッツバーグ周辺で使われるUSハイウェイとしてはUS-30(東西方向、フィラデルフィア〜ピッツバーグ〜オハイオへ延びる歴史的な幹線)やUS-19(南北方向)などがあります。インターステートと並行して走ることも多く、インターステートが整備される前の主要幹線道路として機能していた路線です。
USハイウェイにも3桁路線があり、こちらも2桁の主要路線の支線にあたります。
出口番号の法則
インターステートの出口番号は起点からの距離(マイル数)に連動しています。たとえば出口番号が「Exit 57」であれば、その州の起点から57マイルの地点にある出口です。これにより、現在地から目的の出口までの距離がおおよそ計算できます。日本の出口番号は連番ですが、アメリカはマイル数との対応のため途中に番号が飛ぶことがあります。
ピッツバーグ周辺の主要インターステート
ピッツバーグは複数のインターステートが交差する交通の要衝です。I-376がダウンタウンを東西に貫き、I-279がノースサイドへ、I-79がピッツバーグ南北の主要軸、I-76(ペンシルベニア・ターンパイク)が東部フィラデルフィア方面へ向かいます。
ピッツバーグは丘と川に囲まれた地形のため、他の都市と比べてインターステートの分岐・合流が複雑です。標識の番号の法則を頭に入れておくと、ナビに頼りすぎずに方向感覚をつかむ手がかりになります。



