イエローストーンやグランドキャニオンに行きたいと思って調べ始めたとき、最初に引っかかったのが入園料でした。イエローストーンの入園料は車1台あたり$35。7日間有効ですが、1か所ごとにこの金額がかかる。複数の国立公園を回るなら、あっという間に入園料だけでかなりの金額になります。

そこで見つけたのが「America the Beautiful」という年間パスでした。

$80で2,000か所以上が1年間入り放題

America the Beautiful — Annual Pass(通称「国立公園パス」)は、アメリカの連邦政府が管理する2,000以上のレクリエーション施設に1年間入り放題になるパスです。2026年現在、アメリカ市民・永住者向けは$80、非居住者向けは$250です。

カバーされるのは国立公園局(NPS)の施設だけではありません。Forest Service(国有林)、Bureau of Land Management(公有地管理局)、Fish & Wildlife Service(魚類野生生物局)、Bureau of Reclamation(開拓局)、Army Corps of Engineers(陸軍工兵司令部)が管理する施設も対象です。国立公園だけでなく、National Monument、National Forest、National Wildlife Refugeなど、入園料を取る連邦施設であればほぼすべてカバーされます。

車1台で入る場合はパスで同乗者全員分がカバーされます。徒歩やバイクで入園する場合は、パス保持者+同行する大人3名(16歳以上)まで。15歳以下は無料です。

3か所回れば元が取れる

多くの国立公園の入園料は車1台あたり$35です。$80のパスなら3か所行けば$105相当——元が取れます。

イエローストーンとグランドティトン(隣接していて同じ旅行で回れる)で$70、もう1か所どこか行けば元が取れる計算です。1年間に国立公園を3か所以上訪れる予定があるなら、パスを買った方がほぼ確実にお得です。

逆に1〜2か所しか行かないなら、各公園で個別に入園料を払った方が安い場合もあります。

パスではカバーされないもの

パスは「入園料」だけをカバーします。キャンプ場の利用料、ガイドツアー、ボートのレンタル、マウントラシュモアの駐車場など、個別の施設利用料やアクティビティ料金は別途かかります。

2026年から導入されたtimed-entry reservation(事前予約制)の予約手数料も別です。人気の高い公園では入園そのものに事前予約が必要で、Recreation.govで数ドルの手数料を払って予約を取ります。パスがあっても予約は別に必要という点は見落としやすいポイントです。

また、パスは連邦の施設のみが対象で、州立公園(State Park)には使えません。州ごとにルールが違う アメリカでは、州立公園は州が独自に管理していて連邦のパスの対象外です。

2026年からの変更点

2026年はアメリカ建国250周年(Semiquincentennial)にあたり、パスの仕組みと見た目が大きく変わりました。

デザインは従来の自然風景の写真から一新され、居住者向けパスにはジョージ・ワシントンとドナルド・トランプの肖像が並んだ記念デザインが採用されています。パスの左下にはAmerica250のロゴが入っています。歴代のパスはすべて国立公園のフォトコンテスト入賞作品を使っていたため、この変更には賛否がありますが、建国250周年という節目を反映した限定デザインです。

制度面では、居住者と非居住者の区別が導入されました。アメリカ市民・永住者は$80のままですが、非居住者向けのパスは$250に設定されました。さらにパスを持たない非居住者は、11の人気公園(イエローストーン、グランドキャニオン、ヨセミテなど)で入園料に加えて1人$100の追加料金が課されます。パス利用時にはIDや永住権カードの提示を求められることがあります。

もう一つの変更はデジタル化です。Recreation.govでパスを購入すればスマートフォンに保存でき、物理的なカードを持ち歩く必要がなくなりました。

他のパスの種類

America the Beautifulには年間パス以外にもいくつかの種類があります。

Senior Pass(62歳以上)は年間$20、または生涯有効版が$80。キャンプ場など一部の施設利用料が50%割引になる特典もあり、年間パスよりお得です。

Military Passは現役軍人とその家族、退役軍人(Gold Star Families含む)は無料です。

4th Grade Passはアメリカの4年生(9〜10歳)とその家族が無料で1年間利用できる教育プログラムです。

Access Passは永久的な障がいのある方向けで、無料の生涯パスです。

ピッツバーグからのアクセス

ペンシルベニア州にはいわゆる「国立公園」(National Park)は少なく、ピッツバーグから日帰りで行ける国立公園はありません。ただしFlight 93 National Memorial(シャンクスビル、車で約1.5時間)やAllegheny National Forest(車で約2.5時間)など、パスが使えるNPS・Forest Serviceの施設はあります。

イエローストーンやグランドキャニオンのような大規模な国立公園に行くには飛行機が必要ですが、1回の旅行で近くにある複数の公園を回れば、$80のパスの元はすぐに取れます。

参考

制度・料金は2026年8月時点で確認しています。変更に気づかれた場合は お問い合わせよりお知らせください。