国内線に乗るとき、空港のTSAチェックポイントで運転免許証一枚を出せばそのまま通過できます。パスポートを出す必要がなく、手続きがスムーズでした。その免許証の右上に小さな星のマークがある——それがREAL IDです。2025年5月からこの基準が本格施行され、REAL ID非対応の免許証では国内線に乗れなくなりました。
REAL IDとは
REAL IDは2005年に制定された連邦法「REAL ID法」に基づく身分証明書の基準です。2001年9月11日の同時多発テロを受けて、連邦政府がセキュリティ強化のために導入した仕組みです。
従来、各州が独自に発行していた運転免許証は州ごとにセキュリティ水準がバラバラで、偽造や不正取得のリスクがありました。REAL ID法はこれを連邦基準に統一することを目的としており、より厳格な本人確認書類の提出を取得の条件にしています。
見た目は通常の運転免許証とほぼ同じですが、右上に星のマークが入っています。ペンシルベニア州の場合は金色または黒い星です。
REAL IDには運転免許証(Driver’s License)と一体になったものだけでなく、運転免許を持たない人向けのState ID(州発行のIDカード)としても取得できます。どちらも同じREAL ID基準を満たしており、国内線やTSAでの用途は同じです。
TSAチェックポイントとは
TSA(Transportation Security Administration、運輸保安局)は空港のセキュリティ検査を担う連邦機関です。搭乗ゲートに向かう前に通過する荷物検査・ボディスキャンのエリアがTSAチェックポイントで、ここで身分証明書の確認が行われます。
このチェックポイントで提示できる身分証明書として、TSAはREAL ID準拠の書類と、それに代わる一定の書類を認めています。
2025年5月から本格施行
REAL ID法は2005年に制定されましたが、施行は何度も延期されてきました。2025年5月7日についに本格施行となり、この日以降18歳以上のすべての人は、国内線搭乗や特定の連邦施設への入館にREAL ID対応の身分証明書が必要になりました。
REAL IDがなくても日本パスポートでも乗れる
REAL IDは必須ではありません。 TSAはREAL IDの代替として、有効なパスポート・パスポートカード・軍のID・グリーンカード・Global EntryカードなどをTSAチェックポイントで認めています。これらはREAL IDではありませんが、TSAが独自に認めた身分証明書のリストに含まれています。日本のパスポートもこのリストに含まれており、国内線搭乗に使えます。
REAL IDの見分け方
手元の免許証がREAL IDかどうかは右上の星マークで確認できます。星がない場合や「Federal Limits Apply」と書かれている場合はREAL ID非対応です。
取得方法(ペンシルベニア州の場合)
PennDOT(ペンシルベニア州運輸局)で取得します。通常の免許証の更新や新規取得の際に同時にREAL ID対応にするのが一般的です。
主な必要書類は身分証明(パスポートや出生証明書など)・社会保障番号の証明・居住証明2点です。外国人ビザ保持者は必要書類が異なるため、PennDOTのウェブサイトか窓口で確認するのが確実です。
日本人駐在員・配偶者の場合
日本のパスポートはTSAの認める身分証明書リストに含まれているため、国内線でそのまま使えます。REAL IDは取得できますが、ビザの種類によって必要書類が異なるため事前確認が必要です。
駐在中に取得しておくと、国内旅行のたびにパスポートを持ち歩く必要がなくなります。免許証の右上の小さな星一つが、国内移動のハードルをひとつ下げてくれます。



