アメリカのホテルを予約するとき、検索結果に表示されている価格より実際の請求額が高くなることがあります。旅行先でチェックアウトの請求書を見て「思ったより高い」と感じたことがありました。リゾートフィー・ホテル税・セールタックスが重なっているためで、それぞれの仕組みを知っていると、総額の見積もりが立てやすくなります。
リゾートフィーとは
リゾートフィー(Resort Fee)は、ホテルが宿泊料金とは別に請求する強制的な付加料金です。プール・フィットネスジム・Wi-Fi・シャトルサービスなどの施設利用料という名目で設定されており、利用しなくても支払う必要があります。
1泊あたり$15〜$50程度が相場で、NerdWalletの調査によるとチェーンホテルの平均はMarriott $50・Hyatt $33.80・Hilton $33・IHG $32.57・Wyndham $25となっています。これが5泊ともなると、$150〜$250が宿泊料金の上に乗ることになります。
ハワイ・オーランドなどのリゾート地や大型カジノホテルで特に一般的です。一方でビジネス向けのシンプルなチェーンホテル(Hampton Inn・Residence Innなど)はリゾートフィーがないか、あっても低い傾向があります。
2025年5月のFTCルール変更
2025年5月12日、アメリカの連邦取引委員会(FTC)のルールが施行され、ホテルはリゾートフィーを含む総額を予約の最初から表示することが義務付けられました。それ以前は検索結果では宿泊料金のみを表示し、リゾートフィーは予約の最後のステップや、最悪チェックアウト時まで明示されないケースがありました。
ただしリゾートフィー自体がなくなったわけではありません。総額表示が義務化されただけで、料金は続いています。2026年現在も多くのホテルがリゾートフィーを設定しており、金額はむしろ上昇傾向にあります。
ホテル税はセールタックスとは別物
ホテルに宿泊するとセールタックスとは別に、ホテル占有税(Hotel Occupancy Tax)がかかります。これは宿泊に特化した税で、州・郡・市それぞれが独自に設定しています。
ペンシルベニア州のホテル占有税は州税6%で、Allegheny郡(ピッツバーグ)では州が郡に代わって徴収する1%が加算されて7%になります。さらにAllegheny郡が独自に7%のホテル税を課しているため、ピッツバーグのホテルにかかる税率の合計は約14%になります。これは宿泊料金(リゾートフィーを含む)に対してかかるため、実際の支払い額はかなり膨らみます。
州によって税率は大きく異なります。例えばハワイでは2026年から州税11%・郡税3%・一般消費税約4%が重なり、合計約18〜18.5%になります。観光客が多い地域ほどホテル税が高く設定される傾向があり、日本の消費税のような統一した税率はありません。
総額の計算イメージ
例として$150の宿泊料金に$40のリゾートフィーがあるホテルに1泊した場合、ピッツバーグでは以下のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 宿泊料金 | $150.00 |
| リゾートフィー | $40.00 |
| ホテル税(14%) | $26.60 |
| 合計 | $216.60 |
表示価格の$150から$216.60、差額は$66.60です。リゾートフィーがあるかないか、税率がどの州かによって、同じ宿泊料金でも総額が大きく変わります。
州によって税率が大きく違う
ホテル税は州・郡・市の組み合わせによって差が大きく、旅行先によって実質的な負担が変わります。
| 地域 | ホテル税率の目安 |
|---|---|
| ピッツバーグ(Allegheny郡) | 約14% |
| ハワイ(2026年〜) | 約18〜18.5% |
| 大型カジノリゾートの多い観光地 | 約13〜14% |
| ニューヨーク市 | 約14.75% |
ハワイは2026年から州税が11%に引き上げられ、郡税3%・一般消費税約4%が加わって全米でも最高水準の税率になっています。
予約サイトで「taxes and fees」を確認する癖をつけると、到着後に驚くことが減ります。
リゾートフィーを抑える方法
完全に避けるのは難しいですが、負担を減らす方法はいくつかあります。
ポイント宿泊はリゾートフィーが免除されることがあります。HiltonとHyattは公式サイトのポイント予約でリゾートフィーを免除しており、ポイントをうまく使うと実質の節約になります。
リゾートフィーなしのホテルを選ぶのも有効です。FTCルール以降、総額表示が義務化されたため、検索の時点でリゾートフィーなしの物件を絞り込みやすくなっています。
チェックイン時に交渉する余地もあります。プールや設備が使えない状況であれば、フロントに話すことでフィーの一部が免除されるケースがあります。ただし通常は難しく、頻繁には期待できません。
表示価格はあくまでスタート地点で、最終的に何を払うのかは自分で計算しておく必要があります。リゾートフィーと税率を把握しておくと、ホテルを比べるときの基準が変わってきます。



