運転していてスクールバスの後ろについたとき、正直ドキドキします。赤いライトが点滅したら止まらなければいけないのは筆記試験 で勉強して知っているけれど、何フィート離れて止まればいいのか、いつ発車していいのか、実際の場面では判断に迷います。
日本にはスクールバスに関する交通ルール自体がないので、アメリカに来て初めて知る仕組みです。赤信号で右折できる のと同じで、日本の感覚のままだと判断を間違えます。
ストップサインが出たら全車線が停止
スクールバスが子どもを乗降させるとき、車体の側面からストップサイン(STOP標識)がバーのように飛び出し、赤いライトが点滅します。この状態のスクールバスを見たら、すべてのドライバーが停止しなければなりません。
ペンシルベニア州のルールはこうです。
- スクールバスの少なくとも10フィート(約3メートル)手前で停止する
- バスの後ろにいる車だけでなく、対向車線の車も停止する
- ペンシルベニア州では、交差点でスクールバスが停止している場合、交差する道路から来る車も停止する(州によっては不要な場合もあります)
- 赤いライトが消え、ストップサインが収納され、子どもが安全な場所に着くまで動いてはいけない
唯一の例外は、中央分離帯やガードレールなどの物理的な構造物で反対車線と隔てられている道路の場合です。この場合に限り、対向車は停止しなくても構いません。ペイントだけの中央線では停止が必要です。
罰則はかなり重い
ペンシルベニア州でスクールバスの停止ルールに違反すると、罰則はかなり厳しいです。
警察官に検挙された場合は、$250の罰金+$35の付加金、免許への5点加算、そして60日間の免許停止です。通常のスピード違反では免許停止にはならないので、この違反がいかに重く見られているかがわかります。
近年はスクールバスのストップサインにカメラが取り付けられるようになりました。カメラで検出された場合は$300の罰金ですが、点数加算や免許停止はありません。それでも$300は安くない金額です。
なぜそこまで厳しいのか
子どもがバスから降りて道路を横断するからです。
アメリカのスクールバスは住宅地のあちこちに停車して子どもを乗降させます。バス停は歩道の上ではなく道路上にあることが多く、子どもは降りた後にバスの前を通って道路の反対側に渡ることがあります。ドライバーの死角に入りやすい場面で、子どもが安全に横断し終えるまでは周囲の車をすべて止めなければならない——それがこの法律の考え方です。
日本では学校の登下校は徒歩が基本で、横断歩道と信号で安全を確保します。アメリカはスクールバスで通学する子どもが多く、バスの乗降場所が道路上にある以上、周囲の交通を止めるしか方法がありません。60日の免許停止が重すぎると感じるかもしれませんが、守らなかった場合に起きうる事故の深刻さを考えれば、その重さに見合った罰則です。
あの黄色は1939年に決まった
スクールバスの黄色は「なんとなく目立つから」ではなく、1939年にコロンビア大学で開かれた会議で正式に決められた色です。
農村教育の専門家フランク・サイヤー博士が主導したこの会議には、当時の48州すべてからバス製造会社が参加しました。壁に50枚の色見本を貼り、7日間の議論の末に選ばれたのが現在の「National School Bus Glossy Yellow」です。薄暗い早朝や夕方でも最も視認性が高く、黒い文字が読みやすいという理由で選ばれました。
ミネソタ州が最後まで「Minnesota Golden Orange」という独自の色を使い続けていましたが、1974年にようやく全米統一の黄色に切り替えました。連邦法で義務付けられているわけではありませんが、現在はすべての州がこの色を採用しています。
ちなみにスクールバスには大きさの違ういくつかのタイプがあります。最もよく見かけるのはトラックシャシーベースの大型バス(Type C)ですが、バンを改造した小型のもの(Type A)や中型のもの(Type B)もあり、いずれも同じ黄色に塗られています。小さくても黄色で「SCHOOL BUS」と書いてあればスクールバスなので、同じルールが適用されます。
学校の近くでは速度も変わる
スクールバスの停止ルールは道路上のどこでも適用されますが、学校の近くではさらにスクールゾーン(School Zone)という別のルールも重なります。
ペンシルベニア州ではスクールゾーンの制限速度は15mphです。通常の住宅地の制限速度が25mphなので、10mph低い。スクールゾーンが有効なのは登下校の時間帯で、標識に時間が書いてあるか、黄色いフラッシングライトが点滅しているときです。
スクールゾーンにはスピードカメラが設置されていることも多く、違反すると罰金と免許への3点加算が課されます。登下校の時間帯に学校の近くを通るときは、標識を見落とさないよう注意が必要です。
参考
- PennDOT — School Bus Safety
- 75 Pa. C.S. § 3345 — Meeting or Overtaking School Bus
- Columbia University Teachers College — School Bus Yellow
制度・料金は2026年9月時点で確認しています。変更に気づかれた場合は お問い合わせよりお知らせください。




