料理中に指を切ってUrgent Careを受診したとき、「これはERに行くべきだったのか」と後から考えました。アメリカに来て間もない頃で、どの程度の症状でどこに行けばいいのかがよくわかっていませんでした。結果としてUrgent Careは正解でしたが、その判断基準を最初から知っておければよかったと思います。
受診の詳しい体験記はこちらの記事 にまとめています。
3種類の選択肢
アメリカで体調が悪くなったり怪我をしたりしたとき、主な選択肢は3つあります。
Primary Care(かかりつけ医) は定期的な健康管理や慢性疾患の管理を担う主治医です。予約が必要で、急な症状への対応には向きません。
Urgent Care(緊急外来クリニック) は生命の危険はないものの、当日中に医療的な対応が必要な症状に対応する施設です。予約なしで受診できる施設が多く、夜間・週末も開いていることがほとんどです。
Emergency Room(ER、救急外来) は生命に関わる重篤な状態に対応する施設です。24時間365日対応していますが、費用が高く、緊急度の低い患者は待ち時間が数時間に及ぶことがあります。
Urgent Careで対応できる症状
Urgent Careが適しているのは、急いで対応が必要だが生命の危険はない症状です。
- 軽度の切り傷・打ち身・捻挫
- 発熱・風邪・インフルエンザ症状
- 軽い感染症(耳・尿路・皮膚など)
- 軽い骨折の疑い(レントゲン撮影もできる)
- 軽い火傷
多くのUrgent Careにはレントゲンや簡単な検査の設備もあります。指を切って出血が止まらない状態はUrgent Careの典型的な対象です。
ERに行くべき症状
ERが必要なのは、生命の危険がある可能性のある症状です。
- 胸の痛み・心臓発作の疑い
- 脳卒中の症状(顔の麻痺・言葉が出ない・手足の脱力)
- 意識を失った・意識が朦朧としている
- 重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)
- 大量出血・深刻な骨折・重大な頭部外傷
- 呼吸困難
これらの症状は911に電話するか、迷わずERに向かいます。
費用と待ち時間の差が大きい
Urgent CareとERの最大の違いは費用と待ち時間です。
Urgent Careの受診費用は$100〜$200程度が目安で、保険がある場合はcopayのみの支払いになることがほとんどです。待ち時間は平均15〜45分程度です。
ERは保険ありでも$100〜$500のcopayが一般的で、さらに施設利用料・医師への報酬・検査費が別々に請求されるため、最終的な請求額が想定より大きくなることがあります。費用総額は平均$1,200〜$1,400以上になることも珍しくありません。待ち時間は緊急度の低い患者の場合3〜4時間以上になることもあります。ERはトリアージ(緊急度による優先順位付け)で重症患者が先に診てもらえる仕組みのため、軽症で訪れると長時間待つことになります。
保険会社の確認が先決
どちらに行くにしても、まず確認したいのが自分の保険でその施設がネットワーク内かどうかです。ネットワーク外の施設を受診すると、保険の適用が大幅に制限され、費用が跳ね上がることがあります。
ピッツバーグではUPMCとAllegheny Health Network(AHN) が主要な医療ネットワークで、多くのUrgent Careがこのネットワークに属しています。事前に保険会社のサイトで近くのネットワーク内施設を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
判断に迷ったときは
「Urgent CareかERか迷う」という状況は珍しくありません。判断に迷ったときのシンプルな基準は 「生命の危険があるかどうか」 です。
心臓・脳・呼吸に関わる症状、大量出血、意識の異常はER。それ以外の「痛いが動ける・熱があるが意識はある」という状態はUrgent Careで対応できることがほとんどです。
Urgent Careが開いている時間帯であれば、電話で症状を伝えると対応できるか教えてもらえます。ただしUrgent Careは多くの施設が夜間・深夜は閉まっています。夜中に症状が出た場合は、保険会社のナースホットラインを使う方法があります。多くの保険プランに24時間対応の看護師相談窓口が含まれており、症状を伝えるとUrgent CareかERかの判断を助けてもらえます。保険証や保険会社のアプリに番号が記載されているので、元気なうちに確認しておくのがおすすめです。



