アメリカに引っ越してきて、コンセントの形を見て安心しました。日本と同じ2本の平たいピンの形。ヨーロッパのように変換プラグを買う必要はなさそうだ。

その安心が落とし穴でした。

プラグの形は同じでも、電圧が違う。日本は100V、アメリカは120V。事前に調べていたので炊飯器やドライヤーは持ってきませんでしたが、知らずにそのまま使っていたら壊れていた可能性があります。たった20Vの差ですが、熱を使う家電にとっては致命的な違いです。

同じ形なのに電圧が違う

洗濯機と乾燥機 のように設備そのものが違えば身構えますが、コンセントは厄介です。日本もアメリカもType Aと呼ばれる同じプラグの形を使っています。2本の平たいピンで、物理的にはそのまま刺さります。ヨーロッパ(230V、Type C/F)は形がまったく違うので、変換プラグなしには物理的に刺さらない。形が違うからこそ「この国の電圧は違うんだ」と気づけます。

日本とアメリカは形が同じだから、何も考えずに刺せてしまう。しかし電圧は100V対120Vで異なります。プラグが刺さることと、安全に使えることは別の問題です。

使えるもの・使えないもの

日本から持ってきた家電をアメリカで使えるかどうかは、その製品の対応電圧を確認すればわかります。ACアダプターや本体の裏面に書いてあるラベルを見てください。

「100-240V」と書いてあるもの → そのまま使えます。 スマホの充電器、ノートパソコンのACアダプター、カメラの充電器など、現代のデジタル機器はほとんどがこの範囲に対応しています。世界中どこでもプラグの形さえ合えば使える設計です。

「100V」としか書いていないもの → そのままでは使えません。 炊飯器、ドライヤー、ヘアアイロン、電気ポット、ホットプレートなど、熱を発生させる家電は100V専用のものが多い。120Vのコンセントに繋ぐと、設計より高い電圧がかかって過熱し、故障や最悪の場合は発火の危険があります。

炊飯器とドライヤーは電圧の問題で持ってこなかったので、アメリカで120V対応のものを買い直しました。

変圧器を買うか、買い直すか

100V専用の家電をアメリカで使うには、120Vを100Vに変換する変圧器(ステップダウントランスフォーマー)が必要です。ただし変圧器はかなり高価で、消費電力の大きい家電(炊飯器で500W〜1000W、ドライヤーで1200W以上)に対応するものは数十ドルから100ドル以上します。しかも重い。

正直なところ、家電の値段と変圧器の値段を比べると、アメリカで買い直した方が安いケースが多いです。炊飯器もドライヤーもアメリカのAmazonで120V対応のものが手に入ります。日本製の炊飯器にこだわりがあるなら変圧器を使う価値はありますが、それ以外は買い直す方が現実的です。

持ってくる価値があるのは、アメリカでは手に入りにくい日本固有の家電や、100-240V対応のデジタル機器です。

3つ穴のコンセントと2ピンのプラグ

アメリカのコンセントは3つ穴(Type B)が標準です。2つの平たいスロットに加えて、丸いアースの穴がある。日本の2ピンのプラグはそのまま刺さります。アースのピンがないだけで、上の2つのスロットに入る。

逆にアメリカの3ピンのプラグを日本のコンセントに刺すことはできません(アースの穴がない)。

ピッツバーグの古い住宅では、2つ穴のコンセント(アースなし)がそのまま残っていることがあります。築数十年の家では配線が更新されていない部屋もあり、3ピンのプラグが刺さらないことがあります。その場合は3ピンを2ピンに変換するアダプター(数ドルで買えます)を使うか、電気工事でコンセントを交換することになります。

GFCIコンセントのリセットボタン

洗面所やキッチン、ガレージなど水回りのコンセントには、真ん中に小さなボタンが2つ(TESTとRESET)付いているものがあります。これはGFCI(Ground Fault Circuit Interrupter、漏電遮断器)付きのコンセントです。

漏電を検知すると瞬時に電流を遮断して感電を防ぐ仕組みで、水回りへの設置がNEC(全米電気工事規程)で義務付けられています。ドライヤーを使っているときに突然電気が止まったら、まずこのRESETボタンを押してみてください。一度だけ作動したことがありますが、ボタンを押したら復旧しました。

日本では分電盤に漏電ブレーカーが付いていて家全体を保護しますが、アメリカではコンセント単位で保護するのが一般的です。考え方の違いが設備に表れています。

参考

制度・料金は2026年10月時点で確認しています。変更に気づかれた場合は お問い合わせよりお知らせください。