アメリカの住所を書くとき、必ずZIP codeが末尾に来ます。「Pittsburgh, PA 15222」の「15222」がそれです。日本の郵便番号は7桁ですが、アメリカは5桁。桁数が少ない分シンプルに見えますが、5つの数字それぞれに意味があります。

ZIPという名前の由来

ZIPは「Zone Improvement Plan(地域改善計画)」の頭文字です。1963年にUSPSが導入したシステムで、増加する郵便物を効率よく仕分けするために作られました。

名前にはもう一つ意図があります。英語の「zip」には「素早く動く」という意味があり、ZIPコードを使うことで郵便がより速く届くということを暗示しています。導入当初は強制ではなく任意でしたが、郵便物の急増に対応するため急速に普及しました。

5桁の構造

ZIPコードの5桁はそれぞれ異なる地理的な階層を表しています。

1桁目はアメリカ全土を0〜9の10のエリアに分けます。東海岸から西海岸に向かって番号が増えていく仕組みです。

1桁目該当する主な州
0コネチカット・マサチューセッツ・ニュージャージーなど(北東部)
1デラウェア・ニューヨーク・ペンシルベニア
2ワシントンDC・メリーランド・バージニアなど
3フロリダ・ジョージア・テネシーなど(南東部)
4インディアナ・ケンタッキー・ミシガン・オハイオ
5ミネソタ・ウィスコンシンなど(中西部北)
6イリノイ・ミズーリ・ネブラスカなど
7テキサス・ルイジアナ・アーカンソーなど
8コロラド・ネバダ・アリゾナなど(山岳部)
9カリフォルニア・アラスカ・ハワイ(太平洋側)

ペンシルベニア州(PA)は「1」から始まるため、ピッツバーグのZIPコードはすべて「1」で始まります。ピッツバーグのダウンタウンは15222、空港周辺は15231など、「15」で始まるものが多くみられます。

2〜3桁目は州内またはエリア内の郵便集中センター(Sectional Center Facility)を示します。ここまでの3桁で郵便物の大まかな仕分け先が決まります。

4〜5桁目はその集中センターが管轄する個別の郵便局や配達エリアを示します。

ZIP+4という9桁の形式

住所欄に「15222-3300」のようなハイフン付きの9桁を見かけることがあります。これがZIP+4(ZIP plus four)です。1983年に導入された拡張形式で、5桁のZIPコードに4桁を追加することで、特定の街区・建物・大口配送先まで絞り込めます。

日常的な郵便では5桁で十分機能しますが、大量の郵便物を扱う企業や、正確な配達が必要な場面でZIP+4が使われます。オンラインの住所入力フォームで「15222-3300」のように表示されることもありますが、一般的には5桁だけ入力すれば問題ありません。

クレジットカードの本人確認にも使われる

ZIPコードはガソリンスタンドやオンラインショッピングで、クレジットカードの本人確認(AVS:住所照合システム)として使われることがあります。カードの請求先住所に登録されたZIPコードと、入力されたZIPコードを照合する仕組みです。詳しくはクレジットカード文化の別記事 で触れています。

日本の郵便番号との違い

日本の郵便番号は7桁(例:100-0001)で、上3桁が都道府県・市区町村レベル、下4桁がより詳細な地域を示します。アメリカのZIPコードと比べると、日本の7桁はアメリカの5桁と9桁(ZIP+4)の中間くらいの精度感です。

桁数だけ見るとアメリカの方がシンプルに見えますが、ZIP+4まで含めると9桁になり、精度はむしろ高くなります。ただし日常的には5桁で十分機能しており、日本の郵便番号が7桁全て日常的に使われるのと対照的です。

ZIPコードを見ると、その番号だけでアメリカのどのあたりの地域かが大まかにわかります。ピッツバーグの「15」、ニューヨークの「10」、ロサンゼルスの「90」——数字の並びが地図を描いています。

参考